大分遅くなってしまった。
2018年夏、大阪大学探検部は8/9―9/4にかけてJohn Muir Trail遠征を実施した。
John Muir Trail(以下JMT)とはアメリカ西海岸にあるシエラネバダ山脈を340キロに渡って貫くトレイルで、近年映画化もされており世界で最も有名なロングトレイルと言われている。メンバーはヒロム(CL)、デグチ、マキの3人。それぞれの視点で当企画を振り返る。
(ヒロム)
2018.8.9
眠気に戦いながら顔を洗い目を覚まし、朝8時頃家を出た。ザックは大きかったが重さは気にならなかった。9時頃、関西空港に着くと、デグチから「もうつくます」との連絡。相変わらずの誤字だ。少し遅れてマキと合流し、DOCOMOで海外渡航者向けキャンペーンの「機内枕」をもらって出国した。飛行ルートは以下の通り。
関空→(2.5時間)→台北→(10時間)→サンフランシスコ
一回台北を経由してサンフランシスコに行くルートである。台北では4時間のトランジット。ひまだった。デグチはゲーム。マキは空港内をお散歩していた。搭乗口変更になったことを知らず間違った搭乗口に向かうと、スタッフのお姉さんになんやかんや言われた。
「登机口是不同的!!」わかるか!正しい搭乗口にダッシュ。
サンフランシスコへ向かう機内で僕は映画「The Greatest Showman」を見た。本当はコードブルーが見たかった。デグチはテトリスっぽいゲームをしていた。ゲーム好きだね。映画が終わると僕は疲れて寝てしまったのでほとんど記憶が無い。ご飯は逃すまいと起きた。朝ご飯は「Western or Chinese?」デグチとマキはWesternだったが僕はチャーハンが食べたかったのでChineseと答えた。ほんだら激しくおいしくないおかゆが来た。チャーハンが食べたかったのに。素早く食べて一息つくとデグチはまだ食べている。デグチは食べるのが遅い。でもデグチが食べるのを「遅くない?」、とか、「なんで白米全部食べてからおかず食べ始めるん?」とか言ってはいけない。僕は一度、デグチに興味が沸いて質問攻めにしてしまい、「なんでそんなこと言われなきゃいけないんですか!」とおこられてしまった。ごめんねデグチ。
サンフランシスコ(以下SFO)に着いてまず気温に驚いた。日本の11月始めの寒さである。半ズボンだった僕は素早くトイレで着替えようとしたがトイレが混んでたので通路の死角っぽい所で着替えていた。そしたら大柄の人が近づいてきた。殺されるかと思った。マキだった。マキは9分丈ズボンからアマゾンで買った長ズボンに履き替えていた。なんでアマゾンのパンツ買うねん。それくらい空気が冷たいのだ。そうこうしてバスに乗ってSFO市街に向かい、RENO行きのバスの予約をした。ここからの行程は以下の通り。
SFO空港→SFO市街→→(深夜バス5時間)55$→→RENO
→→(バス3時間)20$→→Mammoth Lakes→→(バス1時間)1$→→Tuolumne Meadows
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RENO行きのバスを待っている間、スーパーで飯を食い、SFOを流れる川を見に散歩に行った。
ヒロム「デグチそんなに厚着してまだ寒いの?」
デグチ「寒いと感じるかどうかは人それぞれじゃないですか!」(たしかに。)
との会話を繰り広げながらバス停留所に戻ると、バス停留所は火事になっていた。ボヤ程度だけど。ボヤのおかげでかっちょいい消防車と警察のおじさんを見れた。ボヤも一段落し停留所でぐだぐだしてると怪しいおじさんが近づいてきて「おいマリファナって知ってるか?これを売って大もうけするんだぜ」と話しかけてきた。マリファナっぽい葉っぱを見せながら。怪しかった。でもおもしろかった。
バスがきた。夜0:30発。移動続きに飽き飽きする。なんでアメリカ当日に夜行バスやねん。しかも55$。高い。それもこれも山火事のせいだ。山火事のせいでもともと通るはずだった道路は閉鎖されたのだ。そのせいで移動距離は増え、予約していたホテルをキャンセルし(直前キャンセルは返金無し)、高いバスに乗らなければならなかった。Fuck山火事。
8.10
RENOについた。着いたといっても朝5時。早すぎる。仕方なく街をぶらぶらする。カジノしか開いてない。RENOはネバダ州であるためカジノが合法なのだ。カリフォルニアはだめみたい。マクドナルドを見つけ朝食を取る。日当たりが悪い。マックを出て近くの小川に向かう。釣りをしてみる。マキとデグチは釣りをする僕をぼーっと見ていた。マキが絶対つれないですよ!と抜かしていたが、やはり釣れなかった。釣れるかもしれないやんけ!
釣れないことにぶつぶつ言いながらアメリカでのモンベル的ショップ、REIに向かった。アウトドア商品が充実している。REIは遠かった。2キロくらいあった。開店前に着く。店の前でうだうだする。デグチがハット型の帽子を持ってきていたので、ダサいと馬鹿にしてしまった。かわいい狙いらしい。REIでは虫除け、洗剤(自然にやさしいらしい)、熊よけスプレー等を購入。僕はキャップ型の帽子を買ったが、マキに嘲笑された。おい。店を出ると昼を回っていた。2キロの来た道をバスで戻るか歩いて戻るかについて少しもめながら歩いて戻った。帰ってきた頃にはMammoth Lakes行きのバスの時間にちょうど良かった。「予約してないやつは床に座れ!人がおおいからな!あっはっは!」的なジョークを言われながらバスに乗る。RENO→Mammoth Lakes
街中
Mammoth Lakesはリゾート街。冬はスキー、夏は避暑地として人が集まる。日本で言う軽井沢とか白馬村とかそんな感じ。治安は良いし人は優しい。Mammoth LakesではスーパーVONSで最後の晩餐となるであろう夕食を買い込み、盛大に食べた。(野宿だけど)デグチはこの時すでに疲れがピークに達していたらしく、ステーキを焼きながら目がしんでいた。時差ボケがつらかったらしい。マキはと言うと彼女とLINEをしたいとひたすらモバイルWi-Fiタイムを求めてくる。(モバイルWi-Fiは3人で一つしか使えないため、電池の残量を考えて3人同時に時間を決めて使うしかないのだ)彼女とLINEをするマキは実に幸せそうなのでまあよしとした。
8.11
早朝のバスに乗ってMammoth Lakes→Tuolumne Meadowsへ。デグチは茂みで野ぐそしてたら犬に吠えられたそうだ。なんとも話題に絶えない男だ。才能の一つだろう。もうこのブログはデグチネタしか話してない気がする。
Tuolumne Meadowsに着くと、Wilderness CenterなるところでJMTを歩くための許可証を取得した。同時にベアキャニスターも借りた。
(この許可証、JMTを歩くためには必須であり、ちゃんとトレイルにいるレンジャーにチェックされるのだ。しかもこの許可証、1日に発行される枚数が決められており、当日分と予約分があるのだが、予約分は6ヶ月前の予約開始時に即座に埋まってしまうのでほぼ無理、当日分は数が極端に少ないので深夜から並ばないといけない、というすさまじいものなのだ。)
僕たちが簡単に許可証をとれたのは、山火事のせいで予約分の許可証に大量のキャンセルが出たからだった。Thankyou!山火事。
Wilderness Centerにて、
ヒロム「遊漁券も買いたいんですけど…」
トム「なぁメアリー、ここに遊漁券はあるかい?」
メアリー「ないわ。」
トム「残念ながらここには遊漁券がないようだ」
ヒロム「じゃあどこでとれますか?」
トム「なあメアリー、遊漁券はどこでとれるかい?」
メアリー「麓のリー・バイニングという街よ」
トム「麓のリー・バイニングという街でとれるそうだ」
ヒロム「どうやって行ったら良いですか?」
トム「なぁメアリー、リーバイニングにはどうやって行ったら良いかい?」
メアリー「バスかヒッチハイクよ。もうでもバスは2時間後だから、ヒッチハイクで行った方が良いんじゃない?」
トム「次のバスは2時間後だからヒッチハイクがいいそうだ。」
ヒロム「まじですか」
トム「まじかい?メアリー?」
メアリー「まじよ」
トム「まじだそうだ。」
そんなような会話が続いて、ヒッチハイクという交通手段をおすすめされた僕は内心ヒッチハイクにちびりそうになっていたが、ここは先輩感みせたろと意気込み、マキとデグチに「ちょっとリーバイニングまで行ってくるわ」とかっこつけて飛び出し、ヒッチハイクで30kmの道のりを下った。がんばった。えらい。意外とすぐに車は捕まった。ポイントは、笑顔で肘を伸ばして親指を立てること。思ったより楽しかった。なんだかんだで遊漁券をゲットした僕がマキとデグチの元に戻ると、デグチは疲れ切って草まみれで寝ていた。疲れてしまったらしい。
頑張ってJMTハイカー用のキャンプ地を探し、テントを張り、就寝。明日からついにスタートだ。
permit
公式書類の字がプリントミスで斜めでも気にならないアメリカのワイルドさ。
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はぁい話題に尽きない出口です。普段はイケメンであるということは知っておいてほしいものですね。
さて僕がこの企画に参加しようと思った理由っていうのが、
・海外の自然とやらに触れてみたい。
・単純に海外というものに行ってみたい
・大久保に負けてられない
ってなわけでして。
ただそんな僕の致命的な弱点がそう。。。
英語が出来ない
致命的。海外企画立てたいが英語。英語。あぁ英語。一回生の時のTOEFLさえ423点という英弱ぶり。この機を逃しては出口の海外進出は遠のく。大夢さんについていけば何とかなるだろう。ってなわけで屋久島に行く気のなかった出口は即参加を決意したわけであります。
8月9日 出発
出口がこの日一番恐れていたこと。それは税関の突破である。
英語できねぇし何聞かれるか分かんねぇし。
その心配はやはり当たった。
僕だけ時間かかる。あぁいやだあぁいやだ。威圧的ぃぃ。
そして飛行機。全く寝れんかった。もう心身ともに疲れた。
スーパーで買い物した。会計のとき
「How #$%&?!+**&!#?」って聞かれた。意味わかんねぇから無視して
カード使えるか聞いた。首傾げられた。カードの扱い雑だった。悪いことしたんだろうな。日本じゃ調子はどう?とか会計の時聞かれんし知らんし「how are you?]以外の聞き方多すぎる。むしろ「how are you?」のほうが珍しいわぼけ。怖いなぁ。あーあ。
飯ものどをあまり通らない。はぁ。
寒いからあまり動きたくないんだけど。。寒い中橋見に行った。荷物重いいから嫌だった
バスで永遠寝続けた。しんどい。
8月10日
RENOに着く。荷物重いし正直一歩も歩きたくなかった。
海外の街並み。怖い。日本と違いすぎる。どこから誰が襲ってくるかわかったもんじゃない。怖い。宿のない僕らに人権などないのだ。帰るところがあるって素晴らしいことなのである。
元気よなぁ。。。
そしてこの日は登山道具そろえて、マンモスレイクスへ。
スーパーでお買い物。マキから最初なに聞いてるかと答え方教えてもらったから何とかなった。「ビニル袋いる?」はやはり聞き取れずボディランゲージとなる。
そして野宿。はぁ怖い。死にたくねぇ。怖い。アメリカで。野宿。あぁ怖いいやだ
8月11日
連日の精神的苦痛によりこの日も眠い。僕はどうも環境の変化に極端に弱いらしい。
バスの移動はとても長くウンコがしたくなった。
タイミングよくトイレ休憩が入った。世界は僕のウンコに合わせて動いている。
すっげぇ乾燥してんのなんの。ちょっとアメリカらしいなぁというか。こんなとこ放り出されたら死ぬなぁ
なんやかんやでTuolumne Meadowsについた。あぁ。眠い。
permit運よく取れた。強運だ。
なんかそれっぽい恰好のお兄さんが国立公園内のルール説明してた。
何言ってるか分かんねぇから周りに合わせて笑っておいた。
ノリの悪い日本人になるわけにはいかない。
やぁっと出発。明日から行ける。自然は優しい。だれでも受け入れてくれる。
精神状態は安定に向かう。やっと。やっとだ。
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(マキ)
かけ
という書き置きが下書きにありました。真生です。遅れてすいません。
さあ、僕も書いていきますね。僕は日記に感情をぶつけていたので、きつい書き方をしている部分もありますが、馬鹿が何か言うとーと思って見てやってください。
8月9日
今日からJMT企画が始まった。朝荷物を最終確認し、南海線で関空に行く。
空港にいる時のわくわく感が好きなため早めに空港に着く。ひとしきり空港内を歩き回り、座る場所を探していると、コンビニ前を徘徊していた出口に遭遇。
ESTAをコンビニで印刷しようとして、トラブっているようだ。
大夢さんとも合流。いきなり僕のザックにソーラーパネルと折り畳みバケツを詰めてきた。重量制限ギリだというのに無茶をさせてくる。
飛行機にチェックインする。正直言って、重量制限もだがこっそり持ってきたものが税関で引っかからないか気が気ではなかった。でも、今こうしてアメリカにいるのだから見つからなかったのだろう。
離陸の高揚感といい機内サービスといい、至福の時間だ。
永遠に続くかと思われたフライトも気づけば終わり、アメリカ合衆国に入る。
初のアメリカ大陸だ。この大陸の先にマチュピチュやパナマ運河があるのかとあほみたいなことを考え、税関を通る。
スペイン語が書いてある!嬉しい!
出口が遅い。何しとるん、と思ってちょっと見に戻ると年配の空港職員に戻るなと怒鳴られた。何やねん、ほんまに。キレる前に一回説明ぐらいできへんのか、ボケ。とか思いながら、ザックを回収する。
もうサンフランシスコは夕方だ。想像以上に寒い。山の中でやっていけるだろうかと不安になる。
グレイハウンドという夜行バスのチケットを取り、スーパーに行く。
冷凍食品だが、ラザニアがあった。名前しか聞いたことなかったので買って食べてみる。
美味い。作り方が全く想像できないが、とても美味い。
右のはコーヒー風味の水。味はいたってシュール。
そのあと、夜のサンフランシスコを歩き、夜行バスに乗り、リノに向かう。出口は終始隣で寒いを連呼していた。
8月10日
明け方、リノに着く。地元難波の比じゃない治安の悪さを垣間見ながら、マクドに行く。
ガッツリ系の朝マックを食べ、リノを散策する。明け方、リノに着く。地元難波の比じゃない治安の悪さを垣間見ながら、マクドに行く。
古き良きアメリカを残したような風貌の街で、クラシックカーやカジノがあちこちにある。
近くの川で大夢さんが釣りを始める。正気だろうか。
こんな街中の川で魚などいるはずがない。案の定、釣れなかった。
そのあと、REIというアウトドアグッズ店に行く。重いザックを背負い、かなり歩く。
REIで熊撃退スプレーとガス缶を買う。出口と大夢さんが帽子やら服やらを見ている間に僕はフリーズドライフードを見る。一つ購入しておく。非常に美味そうだ。
リノ市街地へ戻る途中、マクドで昼飯にする。またマクドかよ、と思ったが、空腹には勝てない。
昨日からちょくちょく聞いていたスペイン語をここで初めてヒスパニック系の店員に使ってみる。が、話したい気持ちが前に出すぎ、質問がしょうもなすぎて"Si"(Yesのこと)としか返事されずちょっと沈む。
リノのバス停からマンモスレイクという所に行くバスに乗る。
乗る前、待合室で二人の老人と話す。マイクとピートというらしく、彼らもJMTに挑戦するそうだ。道中どこかで会うかもしれない。
ボキャ貧すぎてすごいしか出てこない。
リノから乾燥した大地を走り、マンモスレイクという町に着く。
今日はここで野宿だ。しかし、その前に夕食だ。
実を言うと、スーパーに行く前から今日の夕食はステーキにすると決めていた。
肉コーナーを覗く。肉が安い。400gぐらいの牛もも肉が600円程度だ。
日本なら考えられない。
買い物を終え、家具屋の前まで行き、そこで野宿を決定する。
メンブレ出口の無表情クッキングを大夢さんと笑いながら、寝る。
8月11日
朝起きる。朝飯を済ませ、バスを待つ。来ない。休暇でマンモスレイクに来ているおじさんとひたすら待つこと一時間、のこのことバスが来た。運転手は森林火災のせいでどうだのこうだのほざく。寝坊だろうと踏みながら、バスに乗り、トゥオルメ・メドウに向かう。
トゥオルメ・メドウまでは西部劇のような大地と薄緑の植物しかない光景が続く。
映画『カーズ』のような風景。
主題歌"Life Is a Highway"を聞きたくなる。
トゥオルメ・メドウにつく。パーミットは難なく取れた。イングランドから来たカップル(?)とパーミット取れて良かった、と喜ぶ。
ベアキャニスターという熊から食料を守る筒を無事レンタルすると、大夢さんは道中で釣りをするためのライセンスを取りにヒッチハイクをしに行く。出口は寝始める。
話し相手を失い、一人残された僕は岩登りや散歩をするものの、することがなくなり
、寝る。
しばらく寝ていると大夢さんが戻って来る。手にビールのケースを持っている!3本ペールエールが入っている!ヒッチハイクでのせてくれた人がくれたそうだ。
恐るべきコミュ力。さすが大夢さんである。
晩飯を食べ、上を見上げると一面の星空である。
明日からはJMTが始まる。しんどいんだろうなあと思いながら寝る。
次回予告
~②いざ出発~Muir Trail Ranch~
『地獄の入り口・阿鼻叫喚』
お楽しみに!!