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2021年3月31日水曜日

変則奥秩父主脈縦走撤退

奥秩父主脈縦走。1回生のまちかね期間からずっとやりたかった長期縦走。
だけどまちかね期間が1回生のときしか存在しない私の学科。
前泊も含めると最低5日必要な縦走路。卒業までに私が秋にもうできる見込みはない。そしたら3月末にやるか…?調べてみると、別の大学の山岳部の1回生たちがこの時期の奥秩父にこもって長期縦走してたみたいやし。

というわけで3泊4日で瑞牆山荘から瑞牆山・金峰山・甲武信ヶ岳・雲取山を経由して鴨沢へ降りる変則奥秩父主脈縦走を計画した。
ところが。予想以上の残雪量。凍った雪。踏み抜いて太ももまで埋まる雪。
無雪期でも高低差が激しく1日の行動時間が長い縦走路。1日目の行動が終了した時点で、雪がかなり残るこの山脈で、4日間の行程をやりきるのは、体力・日照時間的に厳しいことが判明した。作戦を練り直し、甲武信ヶ岳まで縦走したのち、西澤渓谷へ下山することにした。

文章はこれくらいにして、写真中心で、しんどかったけれども充実していた山行を振り返っていきたいと思います。

まずはメンバー紹介から。
カメラマン べーこんさん

旅の手配の神 三村

常に水不足 池町

テント持ちたがり 斎藤

メンバー、妙高火打感ありすぎんか。

3/24 移動日
緊急事態宣言中運行してなかった、大阪~甲府の3列シートの夜行バスに乗車して韮崎へ。
三村は、夜行バスが人生初めてらしく、かなり嬉しそうだった。翌朝の降車時、笑顔で「感動したわ~」と言っていた。

韮崎駅から甲斐タクシーで瑞牆山荘へ。
運転手さんがかなり早くからスタンバってくれていて、
予約時刻までにコンビニに寄ろうとしていた私たちを見つけて
「乗せてってあげるよ」とサービスで送ってくれた。
メーターはコンビニからいれてくれた。
ありがとうございました。

韮崎山荘到着後、おのおの準備を済ませ、7:40出発。
パッキング

さぁ行くぞ

雪もないしさくさく歩く

もりもり登る

急に展望が開ける。目の前に不思議な形の山が現れる。
いちばん瑞牆山がきれいに見えるところなんじゃないかと盛り上がる。
「絶対瑞牆山紹介するときの写真ここで撮ってるやろ!」


瑞牆山、ユニークな山やなぁ。これはおもしろい。今から登るぞぉぉぉ
そうこうしているうちに富士見平小屋に着いた。
          
めちゃめちゃくっきり富士が見える

人生でいちばんきれいな富士山が見えたとテンションが上がる私

小屋に荷物をデポして瑞牆山へ出発。
うおおおここもきれいな富士山

富士山撮影大会

道が凍りだした

滑らないよう気を付けて

川も凍ってた
表面に張った氷はかなり薄かった

川を渡ると、目の前に大きな石が現れた
んん?岩の間にいるのはなんだ?

その正体は
岩から生まれた みむら太郎

きびだんごを渡すと、彼もここから我々と一緒に山頂を目指してくれました
あ、きびだんごは冗談です

岩のあとからは急登。
鎖場もたまにある。

えっさほいさ

百名山1座目・瑞牆山
登頂!

山ポーズ

美しい富士山をカメラで捉えるべーこんさん

を、撮る私(斎藤)

を、撮る三村

パノラマ最高

富士山近いなぁ

岩の上、気持ちいいですね

写真じゃ伝えきれんなぁ
北・中央・南アルプスも八ヶ岳もきれいに見える

たっぷり景色を楽しんだのち、小屋で荷物を回収し、金峰山へ出発。
足元は凍ってる雪
軽アイゼンで対抗できるけど、歩くスピードを落としてくる

きれい

これもきれい
このあと膝や太ももまで埋まる雪との格闘が続く。
あまりにもしんどかったため写真がない。
これまでコースタイムを巻いて歩いていたのだが、どんどん時間をオーバーするようになっていく。
埋まる雪との苦労の末、稜線に出た
埋まる雪は本当にタチが悪い
歩く者の心を萎えさせてくる
体力も奪われる

奥に見えるは先ほど登った瑞牆山
景色もよくなったし、あと少しがんばるぞ

がんばれ三村ぁぁ
登頂直前、ガスってきた

百名山2座目・金峰山
あたりはまっしろ

おつかれさま!!小屋まで2時間がんばるぞ!

足が埋まるぅぅ2時間じゃ辿り着かねぇぇぇ

予定より時間をオーバーし、小屋に到着。本日の行動時間は11時間。きつかったね。

夕食後、作戦会議を開催。現在のメンバーの体力、これからの道のコンディション、4日目の天気を考慮して、雲取山まで歩くことは諦め、早めに下山する結論に至った。このままやと3日目の行動時間えげつないことになりそうだったし、その間に誰かが体調を崩すのが何よりも心配だった。

周りの雪を溶かして水を作ろうかと思っていたが、動く気力がなかった。水の残量的に、翌日の行動分まではもちそうだったので、まあいいや。最悪、明日の行動中に雪食べたらいいし。もしくは温めて溶かしたらいいしね。

20時30分に就寝。
翌朝、起床すると、水も靴も凍ってた。靴の凍り具合は妙高火打テント泊のときよりもひどく、履くのにかなり難儀した。ほんま、靴凍るってなんやねんんん
凍った靴

今日は、小屋から甲武信ヶ岳まで、まずCT6時間の道を歩く。秩父の縦走、がんばるぞ。
爽やかな朝の空

最初の200mup 時間巻いた

ねむそうやな

本日1つめのピーク

2つめ
奥秩父山塊の最高峰
寄り道だったのでべーこんさんと2人で登った

景色よかった

3つめのピーク
300名山の国師ヶ岳

雪に埋まりながら進む

甲武信ヶ岳に行くまでの道のりではいくつものピークを越えていく
登っては下るの繰り返し
急登も多いし、しんどいぃぃぃ
せっかく登ってもまた下らないといけないぃぃ
急に開けた視界

前に見える山は何かな
この日7つめのピークを踏んで40分後、ついにその瞬間がやってきた。
とうとうついたぁぁぁ

甲武信ポーズ!!
「今までの百名山でいちばん達成感あった」と池町。
重いザックを抱え、いくつもの山を乗り越え、雪に苦しめられながら、ようやくたどり着いた山頂。目の前に広がる山々の景色は、もともと美しいものなのだろう。だが、仲間と支えあいながら、たくさんの思いを抱えて自らの足で頂に到達した私の目には、雄大なその景色が、きらきらと輝いて映り、達成感で胸が熱くなった。
満足いくまで景色を眺めたのち、甲武信小屋までさくさく下山した。
さくさく
ここから、山の中に泊まって次の日下山する案もあったのだが、話し合いの結果、この日のうちに下山することにした。甲武信小屋で雪が降ってきたってのも結果に影響を与えたかもしれない。とにかく寒すぎた。雪とは今日でお別れしたかった。もう百名山3座縦走という目標は達成したのだ。こうなったら、早く、自分たち以外の人間がいる世界に戻りたかった。静かな山奥はもうじゅうぶん堪能していた。

というわけで下山。下山。下山。
雪がたくさんあるうちはコースタイム巻けなかったが、雪が少なくなると順調なペースで進むことができた。雪なしゾーンに入ったときはその歩きやすさに感動した。雪がないとこんなにストレスなく歩けるのか。

ぐっと標高を下げ、登山口に到着。この瞬間から急に元気になる池町。
だれよりも速いスピードでぐんぐん平地を歩いていく。
今までのしんどそうだった姿が信じられない。久々の登山で、きつそうにゆっくり歩いていたじゃないか。
「不思議な生き物やなぁ」と三村。ほんまそれ。

しばらく歩くうちに道路の電灯が見えてきた。うわぁぁ人の営みを感じる。
「光が見えた!って表現の意味を実感したわ」と池町。ほんまそれ。
道の駅まで歩き、そこから下山中に予約したタクシーで街へ降りた。この日の行動時間は12時間だった。


文明から離れ、補給なしで山の中で過ごした2日間。自分たち以外の登山者とはひとりしか出会わず、気温の低い雪山で、自然と対峙し、自然の厳しさを強く実感した山行となった。
至らぬところが多い企画者の私を支え続けてくれた仲間たちには感謝しかない。ありがとう。貴方たちがいたから、この時期の奥秩父に挑戦できた。厳しい山行だったけど、経験できてよかった。

大阪に夜行バスで帰った朝、今回しんどかったから泊まりの山はしばらくいいやと思ったのに、数時間後の昼ご飯前には、また泊まりで山を歩きたくなっている自分がいました。山にはたまらない魅力があるんだよなぁ。また企画立てるから、部員のみんな、付き合ってね。きつい企画になるかもやけど。挑みたいんやもん。成長したいんやもん。

最後まで読んでいただきありがとうございました。