新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます!
……というわけでこんにちは。65期(新2回生)唯一の文学部生のモリリンです。今回は昨年11月に立てた廃墟探索企画についてのお話。実はかなり前に書き始めてはいたのですが、途中まで書いたところで放置してしまい、気づいたら投稿が新歓直前になってしまいました……(汗)
さて、昨秋のある日のこと。部室で同期と話していたら、「比叡山に行きたい」という話題が出たので、その周辺について調べていると、こんな情報に突き当たりました。
――比叡山の山中には、戦前期にわずか十数年間だけ存在した、“消えたロープウェイ”の遺構が眠っている……。
一昨年の冬、64期の國部さんが立ち上げた新分野、「廃線廃道探索」(詳しくは廃線廃道探索① 愛宕山鉄道鋼索線跡を参照)。これは、愛宕山に続く新たなフィールドになるかもしれない……と思い、さらに調べてみると、付近には廃ホテル・廃遊園地の遺構まで残っているのだとか。これだけネタが揃ってしまったら、企画を立てないわけにはいきません。
そもそも“消えたロープウェイ”とは?
“消えたロープウェイ”の正体は、「叡山空中ケーブル」(ケーブル、と名乗っておきながらロープウェイです、ややこしい……)。比叡山の観光開発を狙った京都電燈(関西電力の前身。電力事業と並行して、現在の嵐電や叡山電車なども運営していた)が、1928年に開業させました。当時、出町柳から麓の八瀬比叡山口までの普通鉄道と、そこから比叡山上までのケーブルカーは既に開業済み。叡山空中ケーブルはそこから比叡山延暦寺の境内までのアクセスを担い、こうして誰でも気軽に延暦寺に参拝できる行楽ルートが整備されたのです。
京都電燈の社史である『京都電燈五十年史』(1939年)で「本邦最初の架空索道」と謳われるほど、ロープウェイの導入は当時としては画期的なことでした。しかし戦争の激化により、開業から僅か16年後の1944年、叡山空中ケーブルは休止されます。そして戦後の1956年、京福電気鉄道(京都電燈から鉄道事業を承継)が別ルートでロープウェーを開業させたため、そのまま廃止されてしまいました。現在は、山腹に旧高祖谷駅の遺構が残存するなどしており、その周辺には、開業後僅か6年で戦争の激化により閉業した「叡山ホテル」、そして同じ場所で昭和初期から1960年代にかけて開催されたという夏季限定の遊園地、「叡山パラダイス」の遺構も残されています。
今回の企画は、戦前の観光開発の夢の跡である、これら3つの廃墟を体当たりで探索しよう!というものです。
ロープウェイの廃駅を目指して
昨年11月16日。紅葉シーズン真っ盛りの快晴の日曜日、廃墟探索に向かうべく、叡山電車の終点・八瀬比叡山口駅に降り立ったのは、64期2名・65期5名の計7名。電車を降りたハイカーのほとんどがケーブルカーの駅に向かう中、我々はその脇を通り過ぎ、登山道へと入ります。途中からは一般登山道を外れ、地理院地図上の破線に沿って登っていきます。
| 杉林の中を突っ切って進みます |
| 途中、視界が開けて京都盆地を望める場所も |
登り始めてから約2時間。山中に、巨大なコンクリートの構造物が忽然と姿を現しました。それこそが、叡山空中ケーブル・旧高祖谷駅。早速、当時の痕跡を求めて探索開始です!
これはおそらく機械室か……?
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お次は廃ホテル・廃遊園地の探索へ!
旧高祖谷駅の探索を一通り終え、お次は「旧叡山ホテル」「旧叡山パラダイス」の探索へと向かいます。
| 「HIEIZAN」の文字が躍る、ケーブル比叡駅前にて |
旧叡山空中ケーブル(もう一度言います、ケーブル、と名乗っておきながらロープウェーです……)とは対照的に、昭和初期の開業以来、今日に至るまで現役で活躍し続けている叡山ケーブルのケーブル比叡駅。その賑やかな駅前に、1本の脇道があります。ガラス片の散乱するその道を、奥へ奥へと進んでいくと……。
……あった!これが地階だ!
旧叡山ホテルは、この地階を含め3階建て。上の2つの階は木造で、廃業後に現・城陽市に移築されたという情報も。現在はコンクリートの地階部分だけが残されています。
冒頭でも述べましたが、昭和初期から、戦争を挟んで1960年代まで、夏季限定の遊園地「叡山パラダイス」も存在したというこの場所。当時の痕跡を探してみましょう!
探索中に発見した、古いアサヒビールの缶 |
| 壁には古いバス路線図がペイントされていました よく見ると、「琵琶湖大橋」という文字が! 橋が開通した1964年以降に描かれたものと推察されます |
| パチンコらしきものの残骸 |
| 旧・叡山パラダイス現役当時の看板? |
ゴーカートのコース跡 |
| かき氷機のような何か |
| ここから小塚さん3連発 キョンシーらしき立て看板と |
謎の遊具と小塚さん |
| お面の残骸?を被る小塚さん |
~おまけ~
| 比叡山頂付近からの眺め |
| なお、肝心の山頂はこんな感じ |
| 下山途中、延暦寺にもちょっとだけ寄り道 |
廃墟探索を終えて
さて、こうして比叡山に眠る廃墟群を探索してきたわけですが、肉体的にも、好奇心を刺激するという意味でも、想像以上に探索し甲斐がありました。探索後に知ったことなのですが、比叡山空中ケーブルの支柱跡が1本、ほぼ完全な形で比叡山中に残されているそうなので、そちらも探索する価値はありそうです。
探検、と聞くと、登山、洞窟、無人島、川下り……。そんなものを想像するかもしれませんが、廃線、廃道、廃墟といった、役目を終え、山中でひっそりと消えゆく構造物たちを追いかけるのも、また1つの探検のカタチ。そこでは、先人たちの夢や営みが、タイムカプセルのように保存され、誰かに再び発見される時を待っているのです。
しかしながら、こうした廃構造物は、経年変化によって少しずつその姿を変えていきます。崩落してしまったり、立ち入り禁止になってしまったりして、二度と訪れることができなくなる、そんなことも珍しくありません。皆さんもぜひ、一度廃墟探索に挑戦してみては?
長々と書いてしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました!






























