現在、村上春樹の作品分析を行う演習と、森鴎外の作品分析を行う演習を受講しております。ちなみに、太宰治『走れるメロス』は前年度の私の発表担当範囲でした。ではでは。
第五章[マグマ消滅の危機〜薬師沢までの下山〜]
マグマが消滅しかけたのは、ある夏の朝方、山の奥地でのことだった。
目を開けると、風の匂いがした。果実のようなふくらみをもった七月の風だ。僕らは眠い目をこすりつつ、フルーツグラノーラに、少しの牛乳をかけて、それをゆっくり時間をかけて食べた。
テントを片付けてしまった僕らに課されたミッションは、ただただ、山を下ることだった。僕らは、なんとしてもそれを成功させなければならなかった。
みんなは知らないだろうから、一応説明しておくと、MPっていうのはマウンテン・ポイントのことでマグマ大塚はそれがゼロになると消滅しちゃうらしいんだ。
そのMPが、どうやら足りなくなったみたいなんだ。
マグマ大塚はこんなことを言った。
「僕は、どうやら消滅してしまうみたいだ。」
「消滅?それはどういうことを言っているの?」
「僕にも上手く説明できないんだけど、なんとなく、僕自身がシュッとこの世界から消えてしまうような気がしてならないんだ。ある日突然、僕の中にあるMPがどんどんなくなってしまって、それとともに僕自身が急にどこか別の世界に行ってしまうような気がするんだ。とにかくそうなんだ。」
僕らは黙った。彼が言うならば、どんなにそれが不思議なことであろうとも、それはそうなんだろうな、という思いにさせられた。とにかく彼はそんな人物だった。
ー結論から言うと、マグマ大塚は消滅の危機を免れた。
マグマ大塚も消滅の危機を逃れたことだし、薬師沢ヒュッテで、美しい渓流を眺めながら、僕らはコーラを喉に流し込んだ。
え?どうしてマグマ大塚が消滅しなかったかって?
それは僕らには分からないし、マグマ大塚にも知り得ないらしい。もしかしたら、マグマ大塚は僕らに隠れて一度消滅したのかもしれないし、しなかったのかもしれない。それは誰にも分からないことなのだ。
えもいえぬ絶景。躍動感
第六章[歩け竹野〜雲ノ平直登、折れる心〜]
マグマ消滅の危機を尻目に、元気な竹野は、一気に峠を駈け降りた。『雲ノ平直登』の指標を見てもその心はびくともしなかった。しかしその直登を登ろうと足を進めた時、あまりの荷物の重さに
全身
重い荷物を背負い、五色ヶ原の恐怖の雪渓を抜け、スゴの頭をも乗り越え、動けなくなるまで歩いて来たのだ。私は不信の徒では無い。ああ、できる事なら私の胸を
ふと耳に、竹野を挟んで行われる会話が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。
マグマ「なんか、口の中が書庫の味すんねんけど、書庫の六階の味。」
馬鹿げている。何を言っているのかわからない。悪魔サタン大塚Gのニヤニヤした顔が見える。私が弱音をはき、休憩を求めるのを待っているのである。若干のバカらしさを覚え、竹野にはわずかながら希望が生まれた。歩ける、行こう。
CT(コースタイム)0.5までまだ間に合う。歩け!竹野!!
辛かったの
第七章[雲ノ平にて〜束の間の休息〜]
さて、雲ノ平山荘に到着するも、竹野は衝撃の事実を目の当たりにするのである。
ないのである。雲ノ平Tシャツレディースが。メンズはあるのにも関わらず。
なんと三俣山荘に間違えてヘリで運ばれてしまったそうである。なんということだ。
しかし、我々は圧倒的コースタイム巻き巻きの行程により、テン場GOODポジションを確保。
しかし、なんといっても暇、暇、暇!の一言である。
洗ってる。ウリャ
それぞれの槍おじさん
雲ノ平山荘で、各々本を借り、テン場で読書。
私は、三島由紀夫「幸福号出帆」
ごうきくんは、川端康成「伊豆の踊子」
マグマ大塚は、高野秀行「アヘン王国潜入記」を。
くつろぎまくり
三津子と敏夫は実はお互い血の繋がっていないことが明かされ、惹かれ合う2人はそれに気づかないままで。そんな兄妹としての純愛を保った2人が幸福号と名付けた舟に乗って旅に出るところで物語が終わった『幸福号出帆』。なんちゅう話や三島由紀夫。ちょうど読了後にご飯の時間。
なんと今日は、小屋で石狩鍋。石狩鍋、でっかいお鍋がドーンと置かれて、つぎ放題。まあ、ガンガンおかわりしようとしたマグマは、ひとり二杯ぐらいやな」と、やんわりじいさんに牽制されてました。ご飯はおかわり自由。やったね。私は、3杯、W大塚は4杯?おかわりしてました。
食事後、スイス庭園にて水晶岳を眺め、各々ソロで雲ノ平を堪能。いやはや、良い時間でした。
さすがJAPAN最後の秘境
こんな風にして、3日目は終わり。もう疲れたよーう!4日目書いて〜。