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2020年2月26日水曜日

六甲全山縦走往復 往路編



「六甲全山縦走往復」
頭の悪い字面が並んでいる。


狂気の沙汰である。


一晩で80キロ以上の距離を走り6000mもの高さを走って登ろうとしていたらしい。
ドラえもんがいるならば、タイムマシンをかっぱらってあの時の自分たちを大馬鹿野郎と叱りつけにいくにちがいない。

これから、こんな意味の分からないことをやる輩が命を落とさないよう、やる前に思いとどまらせるために、自戒も込めてこのブログを書くことにした。

こんにちは。はじめまして1回生の清川です。もう3か月以上も前の話です。
お察しの方もいるかもしれませんが、春休みなので暇なのです。忙しさからブログを書かないなんて言ったらきっと退部になってしまうでしょう。
頑張って書きます。スマホの電池節約のため写真少なめです。文字多めです。ごめんなさい。

参加者は三人
頼りになる先輩 わかいけさん

身長分けてください
ゆるきゃら かみべっぷ

そこらに落ちてたサングラス
そして今このブログを書いている清川

頼もしい仲間2人である。

11月3日 晴天 午前7時 石橋駅に集合する。
上別府は前日京都に遊びに行ってたらしい。睡眠時間は4時間。
常人には容易にまねできない芸当である。
その上、二郎系で4人前を食べてきたというからもはや天才の域に達している。ナン5枚をあっさりたいらげるのだから、それくらいなんてことはないのだろう。

そんなこんなで7時半ごろ阪急宝塚駅に到着。
コインロッカーにいらない荷物を置いていく。家の鍵も置いてきてやった。
これでもう往復しなければ家には帰れまい。覚悟しな!へっ!

鍵をいれろおお
リュックの中身を整理して
8Lはしぶすぎる
長い1日が始まる。
しゅっぱーつ
この企画の目標は24時間で往復することである。当初は時間関係なしに往復するつもりだったのだが、たった一人の言葉で24時間という過酷な条件が追加されてしまう。

出口さん
「24時間切ったら全裸で六甲全縦するで。」
そう若池さんに言い放ったらしい。有言実行に定評のある出口さん。

偉大な先輩の言葉にまさか嘘はあるまい。ここでこちらが受けて立たないのは漢(オトコ)ではなかろう。
3人は出口さんの全裸六甲往復を見るために、決意を固める。絶対にやってやる。心はメラメラ燃えていた。走れメロスさながらである。







んなわけあるかい。



開始からかなり飛ばした。
登り始めてすぐに、おじさん二人組を颯爽と追い抜く。後ろから声をかけられた。
「君ら全縦?」
「はい!往復です!」
意気揚々と答える三人
「往復!?戻ってくんの!?」
目が飛び出るおじさん。これだけで鼻高々だ。

当然だが、まだ何ひとつ成し遂げてはいない。

「若いっていいねえ。がんばってね!」
「おじさんたちも!」そう言って先を急いだ。平和な世の中だ。がんばれおじさんたち。
この時はまだ余裕
上り坂は小走り、下りは爆走。気持ちよさは半端ない。天気もいい。
神様が応援してくれているねと、遠足気分。この後地獄を見るなんて誰が想像してた?

12時には摩耶山到着
11月だけで何回登った?
ここまでの20キロぐらい?にかかった時間は約4時間。結構余裕残してきて、往路の約半分まで4時間だからこのペースでいけば24時間以内には確実に帰ってこられる!
かえったら出口さんの楽しい全裸イベントが見れそうだ。心は踊る一方。どんどん足を進める。

決してホモではない。



しかし、ここに魔の手が忍び寄っていた。

ちょうど掬星台を過ぎたあたりだろうか。それまで3人で仲良く談笑していたが、明らかに上別府の口数が少ない。
理由を聞くと、どうやらお腹が痛いらしい。かわいそうに。
近くにあったトイレに駆け込む上別府。

しばし待つと浮かない顔をした上別府あらわれた。腹痛は全く治らないどころか、むしろひどくなる一方のようだ。。。

勘の良い読者の方はもうお気づきであろう。

諸悪の根源は二郎系である。

彼の腹の中では、昨日の二郎が暴れているのである。しかも1人や2人の二郎ではない。
4人前の二郎が彼の腹の中で暴れまわっているのである。かわいそうに。スリムなイチローじゃなく二郎なのだ。あの重たさから、でっかい力士を想像する。
だれも二郎をなだめることはできない。上別府は二郎の機嫌をうかがいながら歩みを進めた。

頑張れべっぷ
負けるなべっぷ
魔の手はとどまることを知らない。ここからの3人のペースダウンは著しかった。
無論上別府のせいではない。六甲全縦を完全になめていた罰が当たったのだ。
下見など1回もしたことはなかった。完全なアホである。

けれども、下見をしていたらきっとやっていなかっただろう。どうやらどっちを取ってもアホの呪縛からは逃れられなかったらしい。

こんなアホに付き合わせてしまって申し訳ないと、今になって深く反省している。

ここから折り返しまでは小さな山が連続する。登っては降り、また登っては降りの繰り返し。前半に下り坂をドサドサ下ったせいで、ひざが徐々に痛み始める。3人の口数は徐々に減っていった。

途中に駅があった。駅の名前はもう思い出せない。あそこで飲んだコーラの味は一生忘れまい。それぐらいコーラは美味しいのだ。

途中にローソンがあった。初めてのコンビニである。あそこで食べたカレーうどんの味は一生忘れまい。それぐらいカレーうどんは美味しいのだ。全身に力がみなぎる。

高級レストランの味は一生忘れないらしい。ローソンのカレーうどんの味は一生忘れられない。

ローソンは高級レストラン?
オレンジジュースとスパゲッティをかき込むわかさん
上別府はトイレに行っている。出てくる顔はまたしても浮かない。このまま企画を続けるべきか?上別府と一緒に折り返し地点で帰るべきか?悩みながら再び歩み始めた。


帰りの事を考えて走るのをやめた。口数は少ない。膝は痛い。お腹もいたい。果たして帰ってこれるのか?
そんなことを考えていた時でも、若池さんは決して弱音を吐かない。やっぱり頼れる先輩だ。一生ついていきます。

高倉台のスーパーについた時だった。その時は突然訪れた。
高倉台のスーパに着いて毎度のようにトイレに行った別府はなかなか帰ってこない。

10分ほどたったときだろうか、上別府から1通のラインが来た。

マジごめん、死にそうで神に祈ってる


おけまるぴっぴには目をつぶろう
すべてをさとった。往路でこの縦走は終わりにしよう。そもそも無謀だったんだ。
下見もなしにこんなことするもんじゃない。悔しいけれども、3人でなければ意味がない。
感傷的な気持ちになりながら、浮かばない顔で出てくるであろう上別府を待った。

このラインからさらに10分ほどたったころであろうか。出てくる上別府の姿が目に入る。そこにいたのはさっきまでの弱弱しい上別府ではなかった。

思いっきり笑顔なのだ。気持ち悪いほどにニヤニヤしている。ついに壊れたか。人は限界まで行くとニヤニヤ笑うのか。
最初はそう思った。さっきまでの顔面真っ青な彼とは真逆の太陽のような、満面の笑顔の上別府がそこにはいた。

カミベップはぴょんぴょん飛び跳ねている。間違いなく彼はゆるキャラだろう。

どうやら彼の祈りは神に届いたらしい。ありがとう神様。イエス様、一生ついていきます。

二郎をすべて退治した上別府は、ここから怒涛の勢いを見せつける。とにかく明るい上別府ほど頼りになるものはない。ひたすらしゃべり続けてくれる。ザキヤマなみのしゃべりだ。九州弁?とあいまってその癒し効果は半端ない。ふたたび、勢いづく三人。そこから須磨浦公園駅まではあっという間であった。やはり気は持ちようだ。

二郎に勝利してこの余裕よ 
駅についたときは19時を少し過ぎた頃だと記憶している。スタートから11時間である。昼食の時間を考えたとしても、後半の失速がみえみえだ。けれども、3人は希望を失ってはいなかった。

すべては出口さんが全裸で六甲を駆け抜ける姿をを見るため。3人はそれだけのために復路での巻き上げを誓った。。。









なわけあるかい。

次回、復路編に続きます。上別府の巻き返しすごいです。