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2018年7月10日火曜日

シリーズ『長期縦走のすゝめー食糧計画編ー』


「長期縦走のすゝめ」シリーズの第一弾、食糧計画編。

第55期部長大塚剛毅が責任を以って執筆いたします。
夏山シーズンが到来、皆さん縦走の予定が迫ってきて不安なことがたくさんあるのではないでしょうか。その不安を少しでも払拭しようと始まったのがこのシリーズです。

目次
1.日帰り登山との違いは
2.有用な行動食
3.おススメ山ごはん
4.便利グッズ
5.僕の山ご飯の変遷
6.お得情報


1.日帰り登山との違いは?
縦走登山は重量にとても気を遣うものです。1gでも軽くカロリーの高いものを行動食として選ぶべきであり、さらには包装紙などのごみを出さないということも重要になってきます。
また簡単に補給できるということもまた重要です。縦走登山においてテント場に到着するころにはヘトヘト。すぐ寝たいところですが。

食糧計画の例(携帯では右半分が切れます) 4泊5日北アルプス縦走企画書より抜粋 謎の用語はのちに明らかになります。
7/13(Thu)
朝飯@富山駅
昼食@一の越
夕食@五色が原
7/14(Fri)
朝飯@五色が原
昼食@薬師岳
夕食@薬師峠

コンビニで購入
おにぎり
AF,アルファ米雑炊

FG
AF
AF,アルファ米雑炊
7/15(Sat)
朝飯@薬師峠
昼食@雲ノ平
夕食@雲ノ平
7/16(Sun)
朝食@雲ノ平
昼食@三俣△
夕食@双六△

FG
AF
石狩鍋2600円

FG
喫茶メニュー
AF,アルファ米雑炊
7/17(Mon)
朝食@双六△
昼食@槍沢△
夕飯@徳澤園
7/18(Tue)
朝飯@徳澤園
昼食@予備
夕食@予備

FG
AF
みちくさ食堂

AF
AF
アルファ米雑炊


上記のようにいつ何を食べるのか書き出し、+アルファ2食から3食分の食料を持っていこう(行動食は1食に入らない。)

2.有用な行動食
a.SOYJOY 大塚製薬 100円程度 @ドラッグストア
 トップバッターはもちろんSOYJOY。程よいしっとり感があり、ザックの中でボロボロにならない点、最高の行動食である。

包装紙はすべて剥いで、ジップロックに入れておけばごみが出ないし、スピーディーに食べられる。山行中小腹がすいたらモグモグ食べられる。チョコ味が一番うまい。
クリスピーはぼろぼろになる

b.一本満足バー アサヒ食品 100円程度 @ドラッグストア
 次いで一本満足。食べ応えがあって満足感はあるが、高温に弱い。溶ける。高地の縦走なら問題はない。
タルト地はボロボロになる

c.カルパス 100円程度 @スーパー
 太いカルパス、小さいカルパスどちらも有用だ。長期縦走で補給できないのが動物性タンパク質である。これはアミノ酸なるんだったと思う。そのままで良し、焼いてよし、コンソメ顆粒と一緒にスープにしてもいい。小屋でビール買ってきたときのつまみにもなる。
トップバリュのピリ辛カルパスが僕のお気に入りだ。


トップバリュは皮をむかなくていいのもGood


d.小粒レーズン 高い スーパー
 これを書かないとマグマに指摘されそうだ。彼は百均ボトルに小粒レーズンを詰め、カリウムだの鉄分だの言いながら差し出しくれる。マグマ(2018)によれば、カリウム不足は足がつる主要因の一つであるらしい。喜んでいつも食べているが、高いから僕は買っていかない。ナッツボトルに入れるのもいいけど、ナッツも高いし僕は廃止した。

e.練乳 198円 スーパー
 うまい。直飲み。こんな贅沢できるのは山だけだ。

f.塩分チャージ 
 通称エンチャ。個包装から出してジップロックに入れていく。休憩時には水分とともにエンチャを投入。山ではスポドリが手に入らないし、粉スポドリで容器を汚したくもない。

g.アミノバイタルゼリー 100円から @ドラッグストア
 真打登場。アミノバイタルは世界が変わる。登山は明らかにスポーツで、サッカーやバスケといった球技に比べて運動強度は高い。ここで必要となってくるのは運動のエネルギー源としてのアミノ酸だ。アミノ酸は基本的にたんぱく質を摂取することで得られるものだが、それでは補給してからアミノ酸に至るまで数時間かかってしまう。で、アミノバイタルならその時間を省くことができるというお話。しかもウィダーに比べて安い。









[閑話休題]
あんまりお勧めしない食材
・ウィダーinゼリー 森永製菓
 圧倒的宣伝力のおかげで、日本一有名なゼリー飲料である。カロリー補給に関しては何も言うことはないが、アミノ酸が入っていない。あくまで日常生活における補給手段に過ぎないと筆者は考えている。

・カロリーメイト 大塚製薬
 これも行動食として定番である。定番はいいけれど、何も考えずにそれを選ぶのはよくない。物事にはあうあわないがあるのだ。なにせ崩れるので、山には向いていない。

・缶詰
 味が濃くて縦走中に食べると幸せになれるのだが、ごみがめんどくさい。焼き鳥缶はよくお世話になっていた。

・パン
 潰れるわ、パサパサで食べにくいわ。おすすめはしない。黒糖パンとか特になし。

3.おススメ山ご飯
アルファ米雑炊 @登山用品店
 登山用品店で販売しているアルファ米にアマノフーズのフリーズドライスープや丼ぶり(親子丼や牛とじ丼)を投入し、一緒くたに多めのお湯で戻すアルファ米雑炊。食器も汚れずペロリと食べられる。(説明下手でよくわからんな)200g大盛茶碗2杯分がめちゃくちゃ満足できる。


FG(フルーツグラノーラ) @スーパー
 3,4人の長期縦走で重宝するのが、FG。大袋を持って行って、牛乳代わりに粉ミルク(いわゆる脱脂粉乳)を用いる。朝のテント内で配給さながらFG大臣が各コッフェルにFGを投入し、前日の晩にシェイクして枕元に置いてあった粉ミルクを注ぐ。甘くしたければ、前述した練乳トッピング。この朝食にすれば時間を短縮でき、起床後30分で出発可能だ。

・スープパスタ
 フリーズドライのスープでパスタをゆでる。グルテン感は否めないが、一緒くたに煮るだけなのでお手軽。グルテン感は否めない(二度目)。


畑のカレー アマノフーズ(AF) @登山用品店
 とにかくフリーズドライで一番うまい。


牛とじ丼 アマノフーズ(AF) @登山用品店
 これは2番目にうまい。
4.便利グッズ
ODガベッジバッグ @登山用品店
自社製品の宣伝になってしまうが、こいつは有用だ。においのあるごみ、液体のついたごみ、それらの心配はこいつがあれば不要だ。簡単に言えば防水袋である。とにかく汚いものはこいつに入れておけば安心さ。 モンベルとしては、使用済みの携帯トイレを入れておくために開発された商品。
ウェットティッシュ 除菌のを推奨
 コッフェルを拭うのも、顔や体を拭くのもこの一枚ですっきり。これさえあれば、ギャッツビーを別で持っていく必要はさらさらない。

マイ箸、フォークスプーン @百円ショップ
 百均にあるこれ。毎度割りばしを使うとごみが増えてうっとおしい。弱点は熱。コッフェルでカルパスを焼いていたら溶けだした。


5.僕の山ご飯の変遷
 ここでは僕の山ご飯がどのように軽量化効率化の方向へ向かっていったかを写真で振り返る。
2016年11月鳳凰小屋テント場にて
軽量化など考えたこともなかったころ。豚肉をパックごと持ってきている点、
なんも考えていないことがわかる。

2018年2月赤岳鉱泉にて
同じくキムチ鍋をしたが、散らかってないのを見ると軽量化とキムチ鍋を両立している。



2017年5月比良全山縦走
パンや缶詰が多いのが見て取れる。結局この山行ではパンは食べなかった。
2017年9月幌尻岳ポロシリ山荘にて
シンプルな食事になっているのが見て取れるだろう。これぞアルファ米雑炊の最大のメリットだ。
カルパスも転がっている様子が見て取れる。若い登山者とわかるとおっちゃんらはお酒をくれるときが多い。
そんな時カルパスがあるとなお盛り上がるだろう。


2017年7月北アルプス4泊5日縦走
右手にあるのが一本満足バー。このように包装紙をすべて取っ払いジップロックに入れる。
ジップロックが空になれば、コッフェルをぬぐったり、体をふいたウェットティッシュのごみを密閉できる。
フリーズドライの食品もすべてジップロックに。ジップロックに入れるときの注意点だが、必要な水の量や感性時間などを書き込んでおかないと、料理がうまくいかない。
硫黄岳山荘 野菜ゴロゴロカレー

雲ノ平山荘にて石狩鍋 お代わり自由だが、お代わり制止おじさんには気を付けよう。
 これだけ食材について述べてきたが、長期縦走の中日には行動時間4時間程度のゆったりDAYを設定し、まだ誰もいないテント場に10時からゴロゴロ時間をつぶすのも一興である。電波の通じない山奥のテント場で1日だらだらするなんて贅沢な!!
そんな日の夜ご飯は小屋の飯を食べるのも体力に加え気力の回復に大きくつながるだろう。
食べ放題がある小屋(例えば五竜山荘ならカレー食べ放題)で食べまくるのもいいが、後輩女子は食べ過ぎて動けなくなってた。適度に。

6.お得情報
・好日山荘の食品15%引きセール
 山用のフリーズドライは高くてかなわんあなたへ。現在、好日山荘では食品が15%引きに。弊社(モンベル)は定価販売ですが、好日さんやるなぁと感心しています。品ぞろえも抜群。 グランフロント大阪北館にございます。
 ・モンベルALBi大阪駅店
 山用品と言ったら何でもそろうモンベルへ。あんまりみんな知らないけれど、山帰りに立ち寄る温泉などメンバーズカードを見せれば割引になる制度もある。山に行くときはカードを忘れずに。




さいごに

ここまで読んでくれてありがとうございます。そんなあなたはもう山にのめりこんじゃっている。さぁどんどん出かけよう。長期縦走できるのは学生のうちだけだ。
重い辛いといいつつも、景色を見れば、山を感じればそんなことは問題にならない。


次回、長期縦走のすゝめ―山にフィットする方法―をお届けします。

参考文献
http://toolgear-superior.info/ultralight_foods.html
→食品の徹底的な軽量化やアルファ米雑炊を教えてくれた。

出演
伊藤、マグマ、竹野、田中、山本