夏休み企画第一弾として開催されたこの企画は、夏休み企画の明暗を分ける先鋒の役割を担うことになった。
"甲山(かぶとやま)でかぶとむしを捕まえる"という世の小学生たちの夢と期待を一身に背負い甲山に向かった。
仕掛けの材料を揃え夕方に甲山に到着した我々は、思った以上に早く罠が完成してしまい暇になった。このときはこの罠を仕掛けて飛んで火に入る夏の虫を待つだけだと思っていたのだ。
高校生の頃の思い出が蘇り今までないほどのやる気を身に纏った部長は、我々のホーム基地である"愛の像"に登るべく池を渡ることになった。
何が起こったのかはお察しください。
このあと何人かがチャレンジしたが全員成功。
トボトボと罠を仕掛けに行く。
「僕、いい結び方知ってますよ」
と、よしおかが結びたそうにしているので譲ってあげた。これが後々厄介なことになるとも知らずに、、、
最初は見つけられなかった樹液の出た木も見つかり、死ぬほどカナブンが止まっている木もあり、これは確実にかぶとむしくるわーなんて呑気なことをぬかしホームに戻ってのんびりしているとそろそろあたりも暗くなり、みんな揃った。と、思われた。1人いない。そう、でぐちがいないのである。
そんなことは気に留めず登った。
罠を2周ほど確認したところで早くも諦めモード。
気配が全くしなかった。罠によってきたのは蟻ぐらいのもんであった。
安いバナナがダメだったと言い訳しながら罠を回収することになり、いい結び方をしたならいい解き方も知っているとよしおかに任せた。
すると急に何かに取り憑かれたかのように走り出したのである。みんなあっけにとられていると、よしおかは「ポキっ」と音がしたと言い張る。
「そうやなーイノシシでもおったんかいのー」
となだめ、かぶとむしを乱獲しようとする我々への甲山の神様の怒りを鎮めた。
そのあと何かにビビる人がいれば
「ビビりすぎやろー」
と、すかさず突っ込むよしおかであった。
下山途中、まえだが樹液の匂いがすると言って急に立ち止まった。
辺りをみんなで探すと、死ぬほどカナブンが止まっている木があった。先ほどまでとは明らかに異彩を放っていた。
ついに夢が叶う瞬間が訪れた。発見したのは木の裏側を見ていたはせやま。
周りには巨大なゲジゲジとオオスズメバチもいたが無事捕獲。
キャチアンドリリース。
下山し、住宅街の自販機で飲み物を買っていると、ウリボー3匹連れたイノシシと遭遇。立ち止まり睨み合っていると、イノシシたちは去って行った。今度は甲山の神様も味方してくれたらしい。
ただーき