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2017年7月18日火曜日

全休アルプス ~立山・薬師岳編~

こんにちは、4泊5日北アルプステント泊縦走を終え、帰阪しましたマグマ大塚です。長大企画ゆえ、ブログは三人がかりで数回に分けてお送りします。三年間の探検部ライフの一つの集大成として決行された全休アルプス。(マグマは木金は授業あります。それらを擲ってまで探検する姿勢。金曜日に関しては期末テストでしたが単位グッバイしました。そこにも三年間の集大成が現れています。)では早速、決行前夜、7/12(水)から振り返っていきましょう。


第一章 「走れマグマ」
 マグマは激怒した。必ず、かの邪知暴虐の社員を除かなければならぬと決意した。マグマには労働基準法がわからぬ。マグマは、ニ〇リの店員である。品出しをし、お客様をご案内して暮して来た。けれども邪悪に対しては、人一倍に敏感であった。きょう未明マグマはお家を出発し、野を越え山越え、十里はなれた此のニ〇リ箕面店にやって来た。マグマは、近々、原付東日本一周の旅に出ることになっていた。旅の出発も間近かなのである。マグマは、旅の資金を稼ぐために、はるばるニ〇リにやって来たのだ。そうして働いているうちにマグマは、ニ〇リ箕面店の様子を怪しく思った。ひっそりしている。もう既に日も落ちて、店の暗いのは当りまえだが、けれども、なんだか、夜のせいばかりでは無く、店全体が、やけに寂しい。のんきなマグマも、だんだん不安になって来た。32番通路で逢った若いバイトをつかまえて、何かあったのか、先週ニ〇リ箕面店に来たときは、夜でも皆が歌をうたって、店は賑やかであった筈だが、と質問した。若いバイトは、首を振って答えなかった。しばらく歩いて社員に逢い、こんどはもっと、語勢を強くして質問した。社員は答えなかった。マグマは両手で社員のからだをゆすぶって質問を重ねた。社員は、あたりをはばかる低声で、わずか答えた。
「大塚さんへの風当たりが強くなるかもしれません。」
「なぜ強くなるのだ。」
「一か月バイトを休む、というのですが、誰もそんな、長い事休みませぬ。」
「休みが許可されないというのか。」
「はい、他のバイトに負担がかかってしまいます。」
「おどろいた。社員は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、バイトの心をも、お疑いになり、少しく派手に休みをとる者には、風当たりを強くすることを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
 聞いて、マグマは激怒した。「呆れた社員だ。生かして置けぬ。」

そんなこんなで20:40にバイトを終えたマグマは、21:21発各駅停車大阪梅田行に乗車。梅田駅着予定は21:43。富山行夜行バス発車時刻は21:50。なんともシブい戦いを強いられます。梅田駅着と同時に、20キロ弱のザックを背負ってビーサンで猛烈ダッシュです。何とか間に合ったバス車内では、剛毅くんと竹野さんがニヤニヤしていました。


第二章  「グッド・バイ」
 一夜明けて富山駅に到着。登山口までの長い長い移動は始まったばかりです。電鉄富山駅から立山駅まで電車に揺られ、その後は立山黒部アルペンルート。立山室堂に到着したころには午前9:00をまわっていました。

長すぎる移動。疲れ果て悟るマグマ。


立山がよく見えます。
去年の回生旅行ではガスガスで何にも見えなかった室堂ですが、今年は立山が雄々しい山容を見せ、いよいよ全休アルプススタート。しぶとく残る雪渓に足をとられながら、一路一の越山荘を目指します。マグマは本来、一の越でニ〇リに「体調不良で本日のバイトを休む」連絡をする予定でした。しかし昨夜の出来事を思い出し、ニ〇リ箕面店の電話番号を着信拒否設定。単位も働き口も捨てて(グッド・バイして)探検する姿勢。下級生にも見習ってほしいものです。

一の越到着後、クソ重いザックをデポって立山主峰、雄山をピストン。山頂の神社に500円払って無難に百名山一座目を落とします。山頂では神主が祝詞を読み上げ、バッサバッサとお祓い、最後にお神酒をいただくなど、今回の山行のスタートに相応しい経験をしました。竹野さんはお神酒を吐き捨てていました。
 
一の越に着く頃にはガスってました。

雄山山頂が見えます。

軽装で一座目ゲット。
雄山を落とし、一の越に戻った一行は、ため息をつきつつクソ重いザックを背負い、本日のテン場、五色ケ原を目指します。しかしこの一の越~五色ケ原区間が今回最大の難所。雪が多く残る一方で登山者は少なく、踏み跡のない雪渓トラバースをいくつもクリアしていかねばならないのです。一行はアイゼンとストックを駆使して少しずつ歩を進めます。

ガスった山、唯一のいいとこは雷鳥

やや晴れてきました。

北アルプスはすぐ景色いい
 この区間でマグマは命の危機を感じました。滑落です。獅子岳付近の雪渓トラバースにて数mの滑落。偶然雪が覆ってない山肌が真下にあったことで、特にケガなく数mで止まりましたが、タイミングが違えば、どうなっていたかわかりません。少しの気の緩みが大事故に繋がる、そう感じました。なんとか一日の行程を終えた一行は、夕飯にアルファ米を食べてテント泊。疲れからか一瞬で眠りに落ちました。

濡れた靴下を干す。やや臭いです。


第三章 「スゴ・ゲマイネ」
  am4:30。朝焼けに染まる五色ケ原で全休アルプス二日目が幕を明けました。二日目は本格的な山行。CT11時間です。
五色ケ原はほぼ貸し切りでした。

朝焼けが美しい。

雪はまだまだ多いです。


晴れると気分もノってきます。
気持ちの良い尾根を歩きつつ、二座目の百名山、薬師岳を目指します。途中のピーク、越中沢岳からの景色はなかなかの見もの。薬師岳を見留める一方で、我々は不穏な注意書きも目にします。「近くて遠いはスゴ乗越小屋。アップダウンが続くよ!」越中沢岳から薬師岳への中間地点ともいえるスゴ乗越小屋(すごのっこしごや)への樹林帯アップダウンは、我々を絶望の淵へと追い込む悲惨な道のりでした。飛び交うアブ・ブヨ、ザレザレの足場、照り付ける日差し、止まらない汗、ct2時間40分。

越中沢岳から。遥か遠くに薬師岳
ようやくスゴ乗越小屋に到着した一行は、自分へのご褒美に缶ジュース(400円)を購入。薬師岳への長い登りを前に一息つくと、竹野さんが小屋前のベンチの下にあるものを発見。それはMAGMA。「水に溶かしてお飲みください。」の説明書き。この世には「運命」がある。

マグマ、MAGMA実食。
初めて食したMAGMAは(マグマ大塚はセントラル・マグマが豊富なため、今までマグマを体外から摂取する必要がなかった)青汁のような味で、端的に言って不味かったです。

綺麗な小屋でした。
マグマのMAGMA摂取という歴史的瞬間に立ち会った一行は、薬師岳へ。歩けど歩けど遠い薬師岳。二時間ほど経ったところで、薬師岳手前のピーク、北薬師岳に到着です。北薬師岳山頂では、一人先客がいました。北薬師五郎岳おじさん(本名不明、北アルプス中部の主)です。北薬師五郎岳おじさんは北薬師岳と薬師岳の間の稜線を永遠に往復しつづけるおじさんで、常に微笑みを湛えます。(山行が余りにも長期に及ぶため話のネタがなくなった我々は、途中途中で出会った素敵なおじさんに架空の名前を付け、キャラクター化していました。ごめんなさいおじさんたち。)

おじさんリスト。これから続々登場します。
北薬師五郎岳おじさんと謁見し、元気をもらった一行はついに薬師岳山頂へ。

よい稜線

すさまじいカール

薬師岳登頂!
薬師岳登頂後は、テン場の薬師峠へ。ここで我々はスキムミルクおじさんズ(三人組、いつもいる)と出会うのですが、詳細な説明は後の二人に任せます。テントでまたまたアルファ米を食し、やや臭い靴下をつるした一行はすぐさま夢の世界へ。こんな感じで二日目の行程を終え、マグマのブログ割り当ては終了。続きは竹野さん、剛毅くん、よろしくゥ!!

燕と馬で〆。