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2018年12月26日水曜日

阪大筏 Vol.2・3

Vol.2   11/27(火)

午後5時
部室に集まったのは筏を愛する男たち。ほんとに男だけ。

そして男たちの目の前には「ARFEQ ALEUT380T」
俺のバイト先の社員さんのご厚意で借りてくることができた折りたたみ式カヤックだ。

何を隠そう本日の真の目的はカヤック試乗会なのである。
筏のための竹切りは言わばおまけなわけだ。今日のところは。

さっそくカヤックを組んで中山池へ向かう。
なぜだ、写真が見つからない

夜の中山池は見方によっては幻想的だ。進水の前に『嗚呼黎明は近づけり』を歌い、かさね前で劇の練習をしていた連中に拍手をもらう。

いざ進水!
たのしいいいい!!水面が近い!結構進む!!

1回で乗れる人数は2人なので交代で乗る。
自由がきくんだなこれが。対岸のぎりぎりまで近づけるし、かさねの下に行って歌を歌うこともできるのだ。もちろん『嗚呼黎明は近づけり』。


いったん解散。俺はバイト終わり勢を待つことにする。午後9時すぎ、彼らが来る。あれだけ来ると言っていた現部長は帰宅したらしい。訳が分からない。

深夜の中山池に漕ぎだした彼らがVol.1の残骸を回収してきてくれた。もちろんあの看板もだ。伏せて保管する。回収できたはいいが、カヤックは中山池のヘドロまみれだ。

Vol.3ではっきりすることだが、福元には「借り物」「人のもの」をきれいに扱おうという考えが全くないようだ。

明道館のトイレ水道が使えないことに不満を漏らしながら文学部棟前で洗い活動を終了した。


Vol.3     12/8(土)

09:03 遅刻した!と部室の扉を勢いよく開けた。そこにいたのは眠る地黄と先輩に気を使って電気をつけずに座る石山。集合時間は9時。参加者は11人。集合率悪すぎじゃあないか?? 3分遅れの俺の次に来たのは10:30の大塚剛毅さん。ようやく始める。
12/1に企画者俺が見事購入したカヤックと借り物を合わせて2艇で発進。
俺のボイジャー

早速中山南造船所からカヤックを漕ぎ出し前回の筏の枠組みを回収に向かう。

今回の作戦は、前回の正方形の枠組みを長方形にすることで漕ぎやすさを手に入れ、また、節約した竹を筏の裏側にも敷き詰め浮力を向上させようというものだ。我ながら賢い。非常に賢い。救出した枠組みをカットして長方形にする。写真はない。


とりあえず一回休憩だ。

剛毅さんの豚汁もいい匂いがしてきたことだし。イロリリッジⅠ型も進化してきてることだし、竹の器と箸も作ってくれてるし、なんといってもカヤックが楽しい。小さな池の上でも優雅な休日を送っている気分になる。
全員が心の中で思っていたはずだ。簡単に水の上に出る道具があるのになぜわざわざ筏を作らなければならないのか、と。俺たちはテレパシーで繋がりあい、片付けの時間になるまで筏に目を向ける者はいなかった。

            




俺たちはナマステ=ウチボーリ氏の独自ブレンド本場チャイで体を温め大塚(剛)さんの豚汁で腹を満たした。ただ、彼には切った食材をカヤック乗艇勢に投げつけてくる癖があるため今すぐにでも非交戦協定を結びたいところだ。

イロリリッジ勢による手作りおわんと手作りお箸

東海林マグマ初アルバム『革共同』のジャケ写

新しい港が完成したことも伝えねば。
今まで未整備の岸から押し出してもらっていたのだが、マグマ大塚ドッグ整備主任の提案により自力で蹴り出せる桟橋を製作した。竹を橋脚のように埋め込み上に板を置く大規模工事だったが大きな事故もなく無事完成した。これで簡単に池にでられる。

桟橋の先っちょには例の看板が掲げられた。見えすぎてるから隠しておく。やっぱりめんどくさい。アートですからね、アート。


いい気分になったドッグ整備主任は上記の看板を池の真ん中に設置しようと野外生活技術大臣前田千尋とともに出航した。



アアアアアァーーー!!!!
パドルを没収され池を漂流していたウチボーリ氏の声が池中に響き渡った。全員が彼の視線の先に目を向けると、そこにはひっくり返ったカヤック1艇、水の中でもがく人間2人。
転覆したのである。彼ら転覆したのである。必死で岸めがけて泳ぐ千尋と池の木にしがみつくマグマと完全に沈んでしまった看板。ウチボーリ氏は漂流しているので助けに向かえない。カオスである。後で千尋が大久保さんは僕のことよりカヤックのことを心配してた、などと言っていたが、当たり前である。俺のならまだしも借り物のほうを沈めてくれるとは思わない。


濡れた服をイロリリッジに干し、千尋は裸でバナナを食らう。




落ちるためにそのパンツ履いてきたでしょ
焚火が焚かれ暖を取る。大塚(剛)さんが持ってきてくれたお餅を焼いて砂糖醤油で食べた。冬だなあと。
沈したカヤックは無事回収洗浄片付けまで済みました。ごめんなさい。





今回の反省は
筏を作る日にカヤックを出してはいけない
である。
次回は絶対に筏を完成させるんだ。

以上。